がんばらないからうまくいく

日本人は特に何かを我慢するとか、歯を食いしばって前に進む、という意識を持ちがちです。
これは教育においても変わらず、というより、教育においてその傾向が顕著です。
間違った努力や過度な負荷により、身体を壊したり、心身の健康を損なう人が数多いのが現状です。
なぜそうまでしてがんばらせようとするのでしょうか?

今回はがんばるとうまくいかない、という話をします。

なぜうまくいかないかというと、がんばりは持続しないからです。

よく動物に例えて話をするのですが、動物は基本的にがんばりません。
ペットを飼っている方は、ご自身のペット思い浮かべると合点がいくと思います。
ペットを飼っていない人は、動物園に行ったときのことを思い出してみましょう。

動物はすることがないときは基本的に休みます。
ごろごろしたり、遊んだりしているのが普通です。
痩せるために餌を我慢したり、誰かに褒めてもらうために自分を追い込むことはありません。

そういった行動は不自然であり、生命を脅かすからです。

がんばるとは命を削ることです。

我慢して起きている、神経をすり減らして仕事をする、スポーツで根性を出す、死に物狂いで結果を出す。

これらはすべて自身の身を危険にさらしています。
やり続けると壊れるからです。

歯を食いしばってでも達成しなければならないことはあるでしょう。
短期的には、そういった努力があってもいいかもしれません。

ただ、そこまでする時点で、それは自分にないものを追いかけているということです。
命を削り、自分に抗っているということです。

それ自体は特に悪いことではありませんが、本当に望ましいのはがんばらなくても自然とできることでしょう。

好きなことは持続可能です。
思考と行動が自然と次に進みます。

イチローは死ぬほど嫌いな野球を嫌々がんばったのでしょうか。
エジソンはやりたくもない発明を強要されていたのでしょうか。

周りにいる活き活きとした大人は、誰の意志で動いているでしょうか。

非効率かつ自分を蝕む努力はこれらの逆を行きます。
本当の自分が絶えずブレーキを踏むので、心からたのしんで進む人とはどんどん差が開きます。

がんばれば報われるというのは、ある種の欺瞞です。
自分を生きるための人生に、外からの強制は不要です。

違和感を感じたら、見つめなおしてみましょう!