スマホを手放せない子ども

「子どもがいつまでもスマホをいじっている」
「スマホを持つようになってからテストの成績が下がった」
「夜遅くまで布団でyoutubeを見ている」
と、いったお悩みを聞くことがあります。

今回はスマホとの付き合い方について書いていきます。

子どもに限らず、自分の時間をゆっくり過ごすことは必要かつ不可欠です。
というより、心身をリラックスさせる時間を取れないと人間は破綻してしまいます。
「気が付くと○○してしまう」というのは、自分の無意識の欲求がそうさせるのであって、いきなりそれを押さえつけるのは容易ではありません。

「イライラするとついタバコを吸ってしまう」という人や、「疲れていると電話が長くなってしまう」という人が、苛立ちを嚙み潰してライターを握りしめたり、グッと自分の愚痴を飲み込んで通話を切る姿を想像してみましょう。
おそらく大変なストレスではないでしょうか。

さいきんではスマホがよくやり玉に挙がりますが、少し前まではゲーム、その前はテレビ、さらにその前はラジオ、小説といったように、人々の時間を奪うツールやメディアは普遍的に存在しました。
現代ではそのすべてを選べます。
スマホを触る時間が減ったとしても弊害が大きいし、触らなくなった時間は別の娯楽に取って代わられる可能性が高いでしょう。

根本的には、スマホが悪いのではなく、自分をコントロールできないことが問題だと指摘されることがあります。
集中するときは電源を切る、触る時間を決める、試験前は親が預かる、などの約束をするご家庭も多いでしょう。
そうすることでセルフコントロールが身につく子どももいるかもしれません。

ただ、もしそれが失敗したとしても、子どもは当然の欲求に従っているだけなのです。

人々の限られた時間を奪い合うメディアは、巧妙かつ広大に発展し私たちの生活に入り込みました。
子どもだけでなく、誰にとっても抗い難いでしょう。

スマホを絶対的に悪とせず、距離感をコントロールしながら自分の内へと収めていけるのがよいのかもしれません。