学びの解像度

教育関係者の方なら、
勉強をしても身に着かない!
できるようにならない!
というご相談を受けたことが
あるかもしれません。

よくある話かもしれませんが、
よくあるがゆえに、明瞭な解決が
見えない話題でもあるでしょう。
重要なのは、なにをもってして
「身に着いた」と判断するかです。

今回は
学びの解像度
について書いていきます。

学習の定着には階層があります。

例えば、
『知る』
『覚える』
『使える』
などに分けることが
できるでしょう。

問題文を見て、
「そういえばやった
気がするなぁ…」
となれば『知って』いるし、

「これはこうだったな」と
知識が引き出せれば
『覚えて』いるし、

「この場合はこうなるはずだ」と
思考できるなら
『使える』といえるでしょう。

どの段階を指して「身に着いた」と
考えるかは人それぞれですが、
だいたい『覚える』段階まで
落とし込めれば、基本的な
問題は自力で解けます。

あるいは、人によっては
『使える』ようにならないと
成長とは言えない、と
考える方もいます。

例えば、
地図を『覚える』までがテストで、
目的地に行くために
地図を『使える』のが本当の定着、
と表現することもできます。
実生活で役立つのは
このレベルかもしれません。

ただ、
その前に
『知る』
という段階があります。

知らなければ、
覚えられないし、
使えるようにもなりません。

「わからないけど知っている」
「なんとなく聞いたことがある」
というのは、
習熟の段階として
重要なステップなのです。

知っているだけでは、
実生活の体験として、
あまり役に立ないかもしれませんが、

ここから学習を反芻し、
知識の解像度をあげることで
脳への定着がすすみます。

しかし、この段階で結果を
突きつけると脳の学習が
止まります(笑)

「やっぱり覚えてないじゃない」
「もう忘れちゃったの?」
といったメッセージが脳で
再生されると、
(実際に言われてなくても)
学習の定着に抵抗が生まれます。

逆に言うと、
そんなにすぐには
『覚え』たり『使える』ようには
ならないし、
脳が開いて主体的に思考できることが
学習の習熟に重要と言えるでしょう。

「勉強が身に着かないじゃないか!」
というのは、おおよそ周囲が結果から
判断した評価に他なりません(笑)

本人のなかでは学びが深まっている
かもしれないし、
時間をかけて成長していく
部分も多分にあるでしょう。

そのための道筋を
整えていくことが、
学習の定着に
結びついていくのだと思います。